溺れる遺伝子

夕食を目の前に、ひとりひとりに配られた赤と緑のストライプの包みをあけた。

すずには腕時計。

…いつか、ヒナの誕生日の時にすずが欲しがっていた腕時計。すずはあっと言って喜び、早速腕にまきつけた。


龍吾にはプラモデル。

さっそく作り出そうとするのを止めるのに必死だった。



そしてヒナには…

…金色のパンプス。


それを見てただ目を輝かせるヒナにすずは

「知ってる?素敵な靴をはいてるとね、その靴が幸せの方向につれていってくれるんだって。」

と笑顔で言った。


…そんなすずの顔を真正面から見れない。
申し訳ないというか…感謝の気持ちでいっぱいで…


目の前には金色の靴。リボンと銀のライトストーンが華やかに彩っている。


「ありがとう……!!」

久しぶりに家族が笑顔になった。