信号が青になる。

夕方で、別に通学や通勤ラッシュの時間でもないのに、多方向に伸びている大きな交差点は一瞬にして人で埋め尽くされる。


この人たちは…どこへ向かうんだろう…


ふとそんなことを考えてみる。
社会の輪の中に閉じ込められた人々。

自由な選択も許されず、希望のとおりの進路でない学校に通う人たち…。

彼らはどうやってそのなかで明かりをみつけるのだろうか…。


《なるようになる》

と、誰かが言っていた。
しかし、それは或る意味、世の中に対する妥協と諦めの言葉なんじゃないだろうか……。