「ねぇパパ、あれ買って!!」

「だめだよ、ショウちゃん。」

「うわぁぁあああいやだぁぁああ!!!!」

「ショウ、泣いてるとサンタさんが来ないぞ。」

「ぐすん…。」


自宅付近にマンションがあるということだけあって、これまでも小さい子ならよく見かけていた。

しかし、今の自分にとって、どうしてもその子の声が心まで響いてくる。…刺さってくる。


きっと、自分のおなかの中のあかちゃんはまだ数ミリの大きさなんだろう…。

まだ人間の形にもなっていないはず…。

だけど、いとおしくてたまらない…。


こんな気持ち…翼にだって持ったことはなかった。