中学校のイベントのひとつに、定期考査がある。
 9月に転入してきたわたしは、二学期中間考査が、この中学校でのはじめての試験だ。

 転校前の中学校では、順位はほぼ真ん中だった。

 450人中、200番。

 びっくりするほど普通の成績と言える。
 この学校も、同じくらいの生徒数なので、200番より上を狙いたいよね。
 うっ。我ながら、なんて低い目標なんだろう……。

「秋ちゃんは、成績がよさそうだよね」

 昼休みにはいり、わたしはお弁当のふたを開けながら、秋ちゃんに言った。

「授業のノートもきれい。黒板に問題を解きにいっても完璧。上位のオーラが見える」
「そんなこと、ないよぉ」

 秋ちゃんは、お弁当の玉子焼きを食べながら照れ笑いを浮かべた。