きょろきょろと探していると、やっと秋ちゃんの姿を発見!
 そして、秋ちゃんが確保してくれていた場所に並んで、わたしはようやく一息ついた。

「なんだか、ラブラブだよね。手なんか取り合っちゃって」
「あ~。お願い、言わないで……」

 顔を寄せてきて、にやにやしながらささやいた秋ちゃんの言葉で、わたしは頭をかかえた。

 やがて美来ちゃんが、ふわふわと髪をなびかせて、軽やかに朝礼台へあがった。

 天使のように可愛らしい美来ちゃんは、朝礼台に立つだけで、たちまち全校生徒の視線を集める。
 たちまち、みんなのざわめきがおさまっていく。

 美来ちゃんは用意されていたマイクに向かうと、歌うようなきれいな声で言った。

「いまから衛生検査をはじめます。今日は爪の長さを確認するので、各クラスの保健委員は、列の先頭に集まってください」