「もお、いつまでも戻ってこないから心配したよ。一緒に行けばよかったね」
「いやぁ、失敗失敗。わたしの凡ミスよ」

 やさしい言葉をかけてくれる秋ちゃん。
 わたしは、ふるふると首を横に振ったあと、頭をかきながら、秋ちゃんに照れ笑いを返す。

 でも。

 授業がはじまっても。
 教科書に視線を向けても。

 わたしの頭の中では、さっき聴いた歌が響いているのよ。

 ずっと。
 ずっと。

 繰り返し、ずっと。