大丈夫。
 これで、これまでどおりだ。

 そう思っていたのに。

 朝の集会のあいさつで、朝礼台に立った笑顔の蒼くんは、いきなり告げた。

「朝の全校集会をはじめます。まず最初に、ぼくは、菜花ちゃんに振られてしまいました」

 ざわつく生徒と先生たち。
 もっとびっくりしたのは、わたしのほうよ。

 え?
 待って?
 わたし、蒼くんを振っていないよね?

「菜花ちゃん、どういうこと?」

 前に並んでいた秋ちゃんが、振り返ってわたしにきくけれど。

 わたしのほうが、聞きたいわ!