「おにぃ、いい加減にしてよ? 企んでいることがあるのなら、はっきり謝っちゃったほうが、傷が浅いと思うんですけれど!」
「え? 美来……」
「何年、おにぃの妹をしていると思っているの?」

 言い返せない蒼くん。
 普段は、ほわんほわんしている美来ちゃんが、じつは一番、強いのかもしれない……。

 そんな美来ちゃんは、わたしのほうへクルンと振り向くと、にっこり笑顔を浮かべてみせた。

「菜花ちゃん、ちゃんとおにぃに言い聞かせるから。だってわたしは、菜花ちゃんの味方だもの」

 わたしは、小さくうなずいた。

「うん。美来ちゃん、ありがとう」