「ほかには、女子全員で踊るチアガールダンスがあるんだけれど」
「チアガールダンスかぁ。それはそれは」
「体操服のまんまだし、手にポンポンを持って踊るだけだからね」

 なんだか嬉しそうな蒼くんに、わたしは唇を尖らせて肘でこづいてみる。
 そして、家の門の前に到着したわたしは、蒼くんに手を振った。

 カッコイイ蒼くんは、きっと体育祭でも活躍するんだろうな。

 そんなステキな蒼くんの横に並ぶことに、わたしは慣れてきた。
 ほら、第一、横に並んで歩いていたら、あの端正な顔を見つめることも、あの甘やかな視線で見つめられることもないしね。

 真正面は、まだ照れるけれど。