そうして、陽が傾きはじめるころ、待ち合わせ場所まで戻ってきた。
 名残惜しいけれど、暗くなるまでに家に帰らなきゃね。

「また遊ぼうね」
「うん。美来ちゃん、またね。今日は楽しかったよ」

 わたしが美来ちゃんに言うと、蒼くんがツイっと近づいてきた。
 耳もとで、ささやく。

「今度は、ふたりっきりでデートしようね」

 たちまち頬が熱くなって、わたしはうつむく。
 そして、そっと盗み見る。

 楽しそうな笑い声を立てる蒼くんと、冷ややかな視線を向ける大神くん。

 慌てて笑顔を向けて、わたしは手を振った。
 そのまま家のほうに向かって歩きだす。

 三人は、同じ方向に帰るんだな。
 いいなあ。
 うらやましいなあ。