暗闇の中で抱きついた相手が、蒼くんじゃなかった?
 指一本でつないだ手も、相手は大神くんだった?

 わたしは、てっきり蒼くんが迎えにきてくれていたと勘違いして……?

 でも、蒼くんは、そのことに気づいていない様子だ。
 それに、わたしの考えが、合っているとは限らない。
 それなら、大神くんが言わない限り、確かめたりなどせずに黙っていたほうがいい気がする……。

「それじゃあ次は、どこに行こうかな? 菜花ちゃん、なにかある?」
「え?」

 急に聞かれて、わたしは慌てて顔をあげた。
 そして、周囲を見回して、思いつく。