申しわけない気持ちで、わたしは、蒼くんの顔を見る。
 すると、蒼くんは機嫌よく言った。

「もう美来も菜花ちゃんも、きゃあきゃあにぎやかだよね。お化けのほうが驚いていたよ。ああ、もう一回入りたい」
「もうやめてよ、おにぃったら」

 ――あれ? 全然、不機嫌じゃない。
 ため息をつくような感じにも見えない。

 わたしは、狐につままれた気持ちで、蒼くんを見る。
 その蒼くんの後ろで、相変わらず、むっとしたような表情の大神くん……。

 そして、ようやくわたしは気がついた。


 迷子になったわたしに気づいて迎えにきてくれたのは、大神くんだったんだ……?