固まったわたしの代わりに、蒼くんのステキな笑顔にやられていない秋ちゃんが、のんびり口をはさんだ。

「ねえ、デートって、どこに行く予定なのかな?」
「うん。ここはやっぱり、ハッピータウンかなって思っているんだ」

 蒼くんは、笑顔を秋ちゃんに向けて言った。

「あ~。地元定番のハッピータウンかぁ。だったら、菜花ちゃんにいいかも」

 そのあたりで、わたしは硬直から戻ってくる。

「秋ちゃん、わたしにいいっていうのは、どうして? ハッピータウン?」
「菜花ちゃんは、転校してきて、あんまり地元の遊び場を知らないだろうから。いま言っているハッピータウンって、洋服店や本屋さんや飲食店、雑貨屋さんやゲームセンターとか、いろんなお店が一か所に集まっている商業施設なのよ」
「へえ~」