眉間に皺を寄せ、亜弥は激しく左右に首を振った。 「違います、過去の話なんかじゃないんです――! 私はずっと先生が好きで、今も好きなんです……」 こんなにも早く、真実を打ち明けるつもりはなかった。 あんなことを聞いてきた先生が悪いんだ……。 蘇る熱い想いに、亜弥は溢れる気持ちをもう抑えることができなくなっていた。 亜弥は寿生の胸に飛び込んだ。 あの時と、同じ匂いがする――。 安心に抱かれているような心地よさに、ゆっくりと目を閉じた。