「なっちゃん。昨日は、誕プレのMofu*Rinありがとね」
到着した学校の1階の廊下で、スクバにつけたマスコットチャームをちょんちょんと触りながら、なっちゃんにお礼を言う。
“Mofu*Rin”は、最近女子高生の間で大人気のキャラクター。
もふもふしているひつじの、ほんわかした感じがとってもかわいい。
もともとSNSに載せていたイラストが、“かわいすぎる!”って話題になって、そのあといろいろ商品化されたみたい。
そのMofu*Rinのぬいぐるみチャームを、昨日なっちゃんは誕プレであたしにくれた。
ノートとかペンとかの文房具は持っているけど、マスコットはまだ持っていなかったから、すごくうれしい。
もふもふしているのにふにゃふにゃしていて、触り心地もとてもいい。
昨日カフェでもらったときにももちろんお礼を言ったけど、バッグにつけたMofu*Rinを見せたくて、またお礼を言った。
今、夏帆は用事で職員室に行っていて、紗良ちゃんはお手洗いに行っているから、ふたりを待ちながら話を続ける。
「これ、夏限定Mofu*Rinなんでしょ? サーフボードとアイスクリームを一緒に持ってるところも、すっごくかわいい。もうほんと、めちゃくちゃ癒されるよ~」
「よかった~。乃愛ちゃんが気に入ってくれて~。あたしもMofu*Rin大好きだから!」
なっちゃんは満面の笑みでうれしそうに言って、自分のバッグにつけているMofu*Rinをキュッと握ってあたしに見せた。
「ほんと、かわいいし、癒されるよねっ!」