まぁその前に、王河に告白したこと自体がバカなこと、なんだけどね。

 それにしても……。

 昨日の王河のキス、とってもドキドキしたなぁ。

 だって、まだ唇が熱い気がするくらいだもん。

 なんで王河、急にキスなんてしてくれたんだろう?

 もしかして、演技の練習だったとか?

 それとも、あたしをからかっただけ?

 どっちにしても、もうしてくれないよね。

 あたしが、幼なじみの関係でさえ、壊しちゃったんだから。

 あたしは王河が大好きだから、ほんとは、もっとしてほしいんだけど……。

 でも王河は、あたしのことがキライなんだから仕方がないよね。
あきらめよう。

 うん、昨日のキスだけで十分だよ。

 それだけでも、夢みたいな時間だったんだもん。

 たとえ王河がからかっただけだったとしても、あたしは王河のことが大好きなんだし、ファーストキスが王河で、めちゃくちゃうれしかったからいいんだ~。

 それに、昨日は偶然、あたしの16歳の誕生日だったから……。

 あのキスは、王河からの誕生日プレゼントだって勝手に思おう。

 そうすれば、全然ツラくないよ。

 ちょっとだけ、ほんの少しだけ、視界が涙で歪むけど。

 でも……、大丈夫。