天井を仰いではずかしそうに顔を覆い、それから大河は、グイッとあたしを抱きしめた。
そしてあたしをすっぽり包み込んだ状態で、王河はあたしの耳元に口を寄せた。
「つーか、乃愛、今度はちゃんとドキドキしろよ? 乃愛は、ただ、ドキドキしてればいいんだよ」
口早に囁かれる甘い声。
王河の息が耳に当たってくすぐったい。
あたしを抱きしめていた腕の力を弱め、王河は少しだけあたしを離した。
ものすごく愛おしそうな視線に、胸がジンと熱くなる。
どうしよ、あたし、王河のことが大好きだよ。
大好きで大好きでたまらないよ。
そう思ったとき、ふわっと優しく、王河の唇が降ってきた。
「っ……」
すごく優しくて、すごく柔らかくて、ものすごく甘い王河の唇と王河のキス。
こんな風にキスしてくれるってことは、もしかして……。
王河もちょっとくらいは、あたしのことを好きだったりするのかなぁ?
さっき否定した期待が頭をかすめる。
1回目よりも長いキスに、胸のドキドキもきゅんきゅんも止まらない。