それは、この暗闇でもはっきりとわかるほど。 形勢逆転か? すばやく乃愛にキスをして、低い声で乃愛に囁く。 「浴衣でキスするの、乃愛初めて?」 「うん」 乃愛がうなずくのを待って、こう続ける。 「また乃愛の初めて、俺がもらっちゃったな」 「……っ」 「これからも。乃愛の初めて、全部俺がもらうから。覚悟しとけよ?」 「……っ。王河……。俺様すぎる。やっぱり、俺様KINGだ……」 ぶつぶつつぶやく乃愛。 クスッと笑って、俺は顔を斜めに近づけた。 もちろん、乃愛にキスするために。