「すごくうれしい!」
そんな風に、喜んでくれるなら。
乃愛の初めてをもらうばかりじゃなくて。
俺の初めてを乃愛にあげるのも悪くない。
そう考えて、俺は、乃愛の耳元に口を近づけて囁いた。
と同時に、乃愛の首に誕生日に渡せなかったネックレスをかけた。
「遅くなっちゃったけど、誕生日プレゼント。あの日、山田と清水のことを聞いたら、ヤキモチを焼きすぎて、渡すタイミングを逃した。あー、そうだ。もちろん、こうやって好きな女の子にネックレスをはめてあげるのも、俺の初めて。乃愛にはこれからも、俺の初めてを、たくさんあげるよ」
「あ、ありがとう……」
とたんに、まっ赤になる乃愛。

