王河、どうしちゃったのかな?

 目だけをきょときょとさせて考える。

 それから、王河の目をジッと見つめた。

「乃愛は、ただドキドキしてればいいんだよ」

 クスッと笑いながら、王河はあたしの唇から指を離し、あたしの頬をふわっと両手で包み込んだ。

「乃愛は俺のことがキライ?」

 王河はどうして、急にそんなことを聞くんだろう?

「ううん、キライじゃないよ」

 むしろ好き。

 そう思うのと同時に、王河は次の質問を口にした。

「じゃあ、乃愛は俺のことが好き?」

 えっ、やだ、恥ずかしい。

 あたしの気持ち、王河にバレてる!?

 うぅ、なんて答えよう。

 ごまかすこともできそうにないし、好きなのは本当だし……。

「……うん」

 と答えるしかないよね、どんなに恥ずかしくても。

「そっか、じゃあ……。俺が、めちゃくちゃドキドキさせてやる」

「……え?」