俺の家族と乃愛の家族で来たここの公園の夜祭りは、思い起こせば、10年前の夏になる。

 俺は本当は乃愛とふたりで行きたかったのだけど、さすがに遠すぎて、子供ふたりだけでは行かせられないということで、両方の親がついてくることになった。

 それを聞きつけた兄たち、特に煌河は年齢的に親と一緒にお祭りに行くのは嫌がるかと思ったが、喜んでついて来た。

 公園には屋台がたくさん出ていて、わたあめやりんごあめ、クレープにたこ焼きと、次々に食べていった。

 そのあとは、ヨーヨーつりとか、くじ引きとか、射的とか、ゲームをして楽しんだ。

 それなのに、俺はかなりむくれて、ぶーたれていた。

 そのわけは、乃愛とふたりっきりになれないせい。