心配になって聞いてみる。
「どうした?乃愛?」
「…………」
それでも乃愛は答えない。
え?マジか、どうしよう。
「おーい。乃愛ちゃん?」
「…………」
と呼びかけて見ても、乃愛は無反応なままだった。
困ったな、どうしよう。
さっきの冗談くらいでこんなに引きずるわけないし、本当にどうしたんだろう?
かなり心配になって、乃愛の手を引き、川原へ向かう人の列から外れる。
その間も、乃愛はずっと無言だった。
しばらく歩き、ようやく人のいないところを見つけた。
そこでサングラスをはずし、乃愛の顔をのぞきこんだ。
「どうした、乃愛?」
「…………」
しばらく無言の乃愛だったけど、辛抱強く待っていたら、ようやく重い口を開いてくれた。

