そんな言葉を、何回も呪文のように心で唱える。
そしてドキドキした心を静めるために、メロンゼリーをテーブルに置いて、アイスティーに手を伸ばした。
と同時に、桃ゼリーをテーブルに置いてアイスコーヒーに手を伸ばした王河が見えて、照れ隠しに聞いてみた。
「王河はアイスコーヒーが好きだよね。苦くないの?」
「んー、べつに。っつーか、この苦みがいいって感じ」
「そっか。なんか大人だね~」
あたしは苦くてコーヒーが飲めないから、いつも紅茶。
ブラックでコーヒーを飲む王河をカッコいいなぁと思いながら見ていると、さっき感じたことをふと思いだした。
「ね、王河。また背が伸びた? 今、何センチくらい?」
「んー? この前、ちょうど180になったところ」
ちょっと首を横に傾けて考えてから、王河はジッと真正面からあたしを見つめた。
……なんだろう?
そんなに変な質問じゃなかったと思うのだけど。
なんでこんなに見つめられるのかわからなくて、きょとんとしてしまう。
あたしをジッと見つめたまま、王河はテーブルに体を乗り出した。

