「ほーんとかわいいよね~、王河くんは。乃愛ちゃんには、王河以外の男をカッコいいって言われたくないんだって~。そうそう、王河からちょっと聞いたんだけど、2人も乃愛ちゃんのことが好きなんだって?」
おーっと、マジか、めちゃくちゃ直球!
と思っていたら、瑠河は俺に話を振った。
「王河はさ~。乃愛ちゃんのどこがそんなに好きなの~?」
もう、どうにでもなれと言う気持ちで、俺は答えた。
「素直で愛らしいところかな」
「う、藤城くん、恥ずかしげもなく……すごいな」
清水が震えた声でそう言った。
「そういう清水はどうなんだよ?」
そう聞くと、弱々しい声で清水は言ったけど、途中から饒舌になった。
「乃愛ちゃんは、いい子なところかな。誰とでも分け隔てなく接するし、おしゃべりも楽しいし。乃愛ちゃんと話すと、ただのくだらない話が、ひとつひとつ意味を持つような……」
「って、お前、乃愛ちゃんのこと女神扱いしてないか?」
と、山田がつっこんだ。

