「あ、僕は清水陸って言います。山田と同じサッカー部で、それからレモン味のお菓子が好きです。あ、おひとついかがですか?」
と、清水は瑠河になにかを渡そうとした。
でも瑠河は、「今は運転中だからね~。あとでちょうだい♪」とウインクをしていた。
その後すぐ、
「あ、そうだ、山田くん、清水くん知ってる~?王河が南ヶ丘高校を受けたのはね。少しでも乃愛ちゃんのそばにいたいからなんだよ~」ととんでもないことを言い始めた。
「ちょ、瑠河っ!」
と俺は止めようとしたけど、瑠河の口は止まらなかった。
もう、好きにしろ、と窓の外の景色を眺める。
どうせ俺が止めたって聞く瑠河じゃないもんな。
案の上、瑠河は続けてこう言った。

