さっきの言葉、あたしの聞き間違えじゃなかったんだ。
でも、どうして?
王河はあたしの告白をスルーしたのに。
「ねぇ、キスしてもいい?」
どうしてこんなことを聞きながら、あたしの頬に手を添えるんだろう?
それに今回は、あたしの誕生日の日と違って、あたしに聞いてくれるんだね。
あたしは王河のことがものすごく好きだから、王河にこんなことを聞かれたら……。
「うん」
ってうなずいてしまうけど。
でも、こんなことをするってことは……。
王河も少しくらいは、あたしのことが好きなのかなぁ?
こんなことをされたら、あたし、王河のことがあきらめられなくなるよ。
だから、もう一度聞いてみたいなぁ。
“王河、あたしのことを……ちょっとだけでも好き?”って。
そんなことを、王河の優しくて爽やかな香りに包まれて、キスをされている間中考えていた。

