超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡



 それなのに、どうして電話に出たり、仕事に行こうとしないのかわからない。

「ねぇ王河。もう行かないといけないんじゃないの?」

 王河よりもあたしの方がハラハラして、王河のシャツをつまんで、ツンツンと引っ張った。

「ねぇ、王河っ」

「……ったく、かわいすぎる乃愛がいけねぇんだよな。離れられるわけねーだろ」

 ボソッとつぶやいた王河の声がよく聞こえなくて、聞き返した。

「え?」

「……乃愛がキスさせてくれたら、行ってもいいって言ったの」

「えっ!?」

 王河の言葉にびっくりしすぎて、ツンツンと王河のシャツを引っ張っていた手が止まった。

 今、なんて?

『……乃愛がキスさせてくれたら、行ってもいいって言ったの』って聞こえた気がするんだけど。

 ……そんなわけないよね? 

 確かめるつもりで王河をジッと見つめたら、真面目な顔をした王河がスッとあたしを抱き寄せた。

「乃愛に、キスしてもいい?」

 耳元に王河の息がかかって、ちょっとだけくすぐったい。

 甘えたような囁き声に、胸がドキドキしてしまう。