「もしかして、藤城くんって天然?」
「は?違うけど」
と王河が言ったとき、
「あ、のーあちゃん、おはよう♪ 今日もめちゃくちゃかわいいね~♡」
と、森くんがあたし達の輪の中に入ってきた。
「野々宮さんもなっちゃんも紗良ちゃんも、おはよう♪」
「あ、森くんおはよう」
みんなで森くんに挨拶をすると、森くんは唇を尖らせてから不服そうに言った。
「って、藤城くんさぁ。なんで乃愛ちゃんを背中に隠すんだよ。これじゃあ、乃愛ちゃんのかわいい姿が見られないじゃん。っていうか、ふたり手ぇつないでない?」
「は?悪い? つーか、キミが森くんなんだ。ちょうどよかった。話があるんだけど」
「え?話?ってなに?」
隠された王河の背中からちょっとのぞいてみたら、森くんがきょとんとしているのが見えた。
そうだよね、確か……森くんと王河は面識とかないもんね。
それなのに突然話があるって言われたらびっくりしちゃうよね。
それにしても、王河の話ってなんだろう?
そう思ったとき、王河はつないでいた手にきゅっと軽く力を込めた。

