――ピローン。
“べつに断らなくてもいいんじゃない? 男除けにもなるだろうし、藤城と一緒に学校に行けば?”
今度は夏帆からメッセージが来た。
――ピローン。
“じゃ、そういうことで! 乃愛ちゃん、学校でねっ”
最後になっちゃんからメッセージが来て、全員既読になった。
急いで制服に着替えて、リビングに行く。
「あー、王河……。夏帆たち、今日は先に行くって……」
「ふーん、そう。なら、2人で行くか」
ソファから立ち上がった王河は、バッグを肩にかけて、お父さんとお母さんに挨拶をした。
「では、学校に行ってきます。朝早くからお邪魔してすみませんでした」
「いいのよ、べつに王河くんなら、いつ来ても。それに、また前みたいに、朝ごはんを食べにいらっしゃいよ~。おばさん、腕によりをかけて頑張っちゃうから~」
「ありがとうございます」
「それに今日のフレンチトースト、本当においしかったわ~。ありがとね」
「いえ、どういたしまして」
「それから、乃愛が黙っていたことを教えてくれてありがとう。もうほんと、困った子だわ。でも、王河くんがそばにいてくれるなら、おばさん安心だわ」

