確かに、はたから見たら……誰でもそう思うよね。
「夏休み、本当に森くんと軽井沢に行ってみれば? あたしも一緒に行ってあげるから」
「でも……」
「乃愛には、素直に好きって言ってくれる男の方がいいと思う。森くんだって、中途半端な気持ちじゃないでしょ。あんなに告白してくれるんだから」
夏帆は優しく、あたしを気遣うように言ってくれた。
「うん、それは……そう思うけど……」
「そしたら乃愛、悩む必要もなくなるよ」
「うん、そうだね……」
確かにそう。
夏帆の言っていることは正しいし、心配してくれるのもよくわかる。
よくわかるけど……。
「藤城のことなんか早く忘れて、森くんと夏休みを楽しもうよ」
そんなことを言われても、そんなにすぐに、王河のことを忘れられない。
でも……。
「好きとも言わないくせにキスをするような、どっかの傲慢な俺様よりも、森くんの方が100倍はいいと思うけど」
そう言われると、そんな気も……少ししてくる。

