「どういうことなの?」

「俺が連れてきた女がたまたま美月の妹の綺月で、久しぶりに顔を合わせた2人が喧嘩したんだよ」

「ただの姉妹喧嘩では無かったけどな」


俺の言葉に一喜が余計な一言を付け加える。


「実際、私は綺月を置いてあの家を出て行ったし、責められるようなことをしたのは事実よ。
綺月は悪くない」

「でもあれはちょっとイラッとしたっすよ」


近くにいた下っ端が話に割って入る。


「俺たちのこと、喧嘩しか脳のないクズとか言ってたし」

「カオルさん何であんな女連れてきたんですか?」

「外見で判断する奴とか1番嫌いじゃないですか、正直美月さんが叩いてくれた時はスカッとしましたけどね」


余計なことをよくもペラペラと…

俺はそいつらを睨むと、殺気が伝わったのか男達は顔を引きつらせる。


「カオル、睨むな」

「どうしたんだよ、カオルらしくねぇぞ」


俺らしくないことも、なんでこんなイライラしてしまうのかも俺が一番分からねぇよ。

でも、お前らだって綺月のこと何も知らねぇだろ。