Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

使われなくなった廃工場を溜まり場にしているのだろう。

私が車から降りた瞬間、車はすぐにどこかへと行ってしまった。

もう逃げられない。

行くしかないのだ。

私は意を決して、カオルに付いて行く。

カオルはシャッターがかかっている正面からではなく、裏のほうに回ってその廃工場に足を踏み入れる。

扉を開けた瞬間、眩しい光と無数の声が耳に入る。

そこには私の知らない世界があった。

工場内は思っていたよりもスッキリしていて、まるでどこかのお店のような綺麗さがあった。

色んな髪色と奇抜な服装をした不良がいて、いくつものライトでこの廃工場内を照らしているせいか、外見からは想像もつかないほど中は明るかった。


「綺月、口開いてんぞ」


カオルは私の顔を見てケラケラと笑いながら、足を踏み入れる。

ここは怖そうな野蛮人がいっぱいいる巣窟みたいで怖かった。