年頃の妹がいる家に信用できない奴は徹底して入れないようにしていた俺は、まだ名前も知らなかった綺月を家に入れて奈都に看病まで頼んだ。
どこか不良を毛嫌いしていて、年下のくせにクソ生意気で、睨みつけると震えながらも対抗してくる女は今までで会ったことが無かった。
ファミレスで目が合ったときも、公園の前で立ち尽くして仲間を見ているときも、俺の目を見ているときも、ずっと綺月は悲しげな目をしていた。
その目は、両親を亡くしたばかりの当時の俺の目に似ていた。
今の綺月の目には一体俺達がどう映っているのだろう、笑ったらどんな顔をするだろうとやけに気になった。
少しだけからかってやろうと顔を近づけてみたら、驚くほど顔を真っ赤に染めて動揺していた。
その反応がちょっと可愛いと思ってしまった。
「一條、綺月……」
俺は小さく綺月の名を口にする。
聞き覚えのある苗字と、どこか似ている綺麗な顔と、物怖じしないその態度に、1人の女の顔が浮かんだ。
俺の勘違いで終わるかもしれないけど、動いてみる価値はあった。
めんどくせぇし、余計なお世話だろうけど、それで綺月が俺のことを知りたくなったらいいなと思ってしまった。
「お兄、私の話聞いてる?」
「聞いてる聞いてる」
「じゃあ、綺月ちゃんのこと助けてくれる?」
「一応話してみるけど、あんま期待すんな」
俺はそう言うと、奈都が温め直してくれたおかずを行儀悪く手で掴み口に入れた。
どこか不良を毛嫌いしていて、年下のくせにクソ生意気で、睨みつけると震えながらも対抗してくる女は今までで会ったことが無かった。
ファミレスで目が合ったときも、公園の前で立ち尽くして仲間を見ているときも、俺の目を見ているときも、ずっと綺月は悲しげな目をしていた。
その目は、両親を亡くしたばかりの当時の俺の目に似ていた。
今の綺月の目には一体俺達がどう映っているのだろう、笑ったらどんな顔をするだろうとやけに気になった。
少しだけからかってやろうと顔を近づけてみたら、驚くほど顔を真っ赤に染めて動揺していた。
その反応がちょっと可愛いと思ってしまった。
「一條、綺月……」
俺は小さく綺月の名を口にする。
聞き覚えのある苗字と、どこか似ている綺麗な顔と、物怖じしないその態度に、1人の女の顔が浮かんだ。
俺の勘違いで終わるかもしれないけど、動いてみる価値はあった。
めんどくせぇし、余計なお世話だろうけど、それで綺月が俺のことを知りたくなったらいいなと思ってしまった。
「お兄、私の話聞いてる?」
「聞いてる聞いてる」
「じゃあ、綺月ちゃんのこと助けてくれる?」
「一応話してみるけど、あんま期待すんな」
俺はそう言うと、奈都が温め直してくれたおかずを行儀悪く手で掴み口に入れた。

