Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「綺月ちゃん…?」

「私が奈都のためにまとめたノートとプリント。
これは絶対にやって欲しいっていうのをまとめておいた。
あとは中学の時に使った問題集とか、過去問とかも全部一緒に入れたから」

「綺月ちゃん待って…」

「奈都なら絶対受かるから、努力は裏切ったりしないから」

「綺月ちゃん!どうしたの!」


奈都が私の頬に優しく触れる。

そこでやっと自分が泣いていることに気付いた。


「よく見たら凄く体調悪そうだよ、綺月ちゃん大丈夫?」


何度も聞かれた"大丈夫?"って言葉。

何度も答えた"大丈夫"が、今は口から出てはくれなかった。


「綺月ちゃん、とりあえず中に入ってよ。
今ね一人でご飯食べてたんだけど寂しくて、だから一緒に食べようよ」


またあの男は奈都を一人にしているのか。

一人は思っている以上に寂しいことを知っているから、私は奈都の誘いに断れなかった。