Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

私には、弱音を吐いている時間も、現実に嘆く時間も無い。

もうそういうのは、お姉ちゃんが家を出て行った時から諦めているから。

四日間かけて行われたテストも無事になんとか終わり、やっと肩の力が抜ける。

これで少しは休める。

そう思っていた矢先、母がたった一枚のパンフレットを私に渡した。


「…え?どういう事?」


そのパンフレットは聞いたことの無い塾のパンフレットだった。


「そこの塾最近評判が良いらしいから、明日からそこの塾にも週二で通いなさい」


鈍器で強く頭を殴られたようにガツンときた。

今も週三で塾に通っているのに、更に通う必要あるの?

母の言っていることが分からず混乱していると、要件を伝えた母はそそくさと仕事に向かう準備をしていた。


「待ってよ、どうして急に?」

「…嫌なの?」

「嫌っていうか、お金もかかるし…」

「お金のことは心配しなくてもいいわ」


でもこれじゃ、奈都に勉強を教えてあげられない。