「じゃあ、消したい邪魔な男がいんだけど協力してくれるか?」

「します!何でもします!」

「じゃあ手始めにAgainの暴走族のメンバー、誰でもいいからぶん殴って息の根止めてこい」

「…え」

「誰でもいいって言ったんだ、それならお前にも出来るよな?」


出来ると言わないと殺される、そう思った。


「ア、Againは、どこにいるのか謎で…あまり表には出てこないから」

「それも踏まえてやれつってんだよ」


ドスの効いた低い声が、大きくて硬い岩のような重みを持って全身にのしかかってくる。

殺らないと、殺られる。


「わ、分かりました!」

「分かったなら行け」

「い、今からですか?」

「さっさと行け、殺すぞ」


本気で殺そうとする目に、急いで逃げるようにその場を後にする。


「Againは、必ず潰す」


男はそう言うと顔を上げ、曇った空を見る。