Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「家、あのオレンジの屋根」

「すげぇ立派な家だな」

「お母さんが一軒家の方が隣人の物音が聞こえずに済むから集中して勉強できるでしょって」

「やっぱすげぇ母親だな」


お金の面では一切心配させなかった母は、本当に凄い人なのだと改めて思う。

そんなことも、家を出なければ気付けなかった。


「お母さんが言った言葉は今もまだ許してないけど、でもいつかは許せるようになりたい。
私のお母さんは、お母さんだけだから」

「お前らしいな」


そんなカオルの言葉に、私は胸を張る。


「綺月?」


その時、母の声が聞こえ、私とカオルが同時に振り返る。

母はいつものようにキリッとした服装を身にまとい、堂々と立っていた。

そんな母は私とカオルが手を繋いでいるところを見て口を閉じる。