Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

奈都の誕生日であり、二人の両親の命日であり、私がカオルに初めて好きだと言った日、私は確かにそう言った。

そのことをカオルも思い出したのかフッと笑みを零した。

そして、カオルは心を落ち着かせようと深く息を吸って吐いた。


「綺月のことを大事にしたいって頭ではそう思ってるんだ。
でも、お前、奈都の受験終わったらこの家出るだろ?」


カオルの言葉に、私はハッと息を呑んだ。

言わなくてもカオルは気付いていた。

奈都の受験を終えたら、私の役目は終わる。

そうしたら、私は母が一人で居るあの家へと帰るつもりでいた。


「綺月が離れていくような気がして、ちょっと焦ったんだ、だからあんなこと言った」

「家に帰るだけだよ?
会おうと思えばいつでも会えるし」

「分かってる。
分かってんのに、やっぱ欲が出るんだよ、ずっとこの家にいて欲しいって」


カオルから男らしくない女々しい言葉が漏れて、それが新鮮で私は強く抱き締める。