月日は流れ、綺麗な暖色系の色を彩っていた紅葉はすっかりと枯れ落ちていた。

季節は秋から冬へと変わり、寒さが一層厳しくなる中、奈都は必死にしがみつくように机にかじりついていた。

公立高校の入試まであと1ヶ月と迫ってきている。

この時期は、受験生にとってはデリケートの部分で、気持ちが下がったりしないかが重要だ。

公立高校の入試を控えている受験生は、私立高校の入試を終えて開放的になる生徒を他所に勉強をしなければならない。

既に合格を貰った生徒が、帰ってきてゲームや買い物して遊んでいる間も、勉強に時間を費やさなければならないのだ。

私と奈都はここ最近、カオルに構う時間さえ惜しくずっと二人で勉強をしている。

そう、全く持ってカオルに構う暇は無いのだ。


「カオル」

「…なに」

「ほんとにどいて」


私が洗濯物をさっさと畳んでいる最中にも関わらず、木にぶら下がるナマケモノのように、カオルは寝転がった状態で私の腰に腕を回ししがみついていた。

大いに邪魔で、なんとも畳みにくい。

カオルの手を必死に払うが、またすぐにガッチリと固定される。