Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「でも、彼にとってはちゃんとした好きだったんじゃないの?」

「あーいう男はすぐに忘れて次の恋してるよ。
羨ましいよね、浅く入って恋してる人達って」


皮肉に似た口調で話す菜穂は、普段のお馬鹿でお茶目な菜穂とは正反対に見えた。

それと同時に、すぐには忘れられないような恋をしたことがあるのだと「羨ましい」という感情を聞いて私は悟る。

もしかしたら、現在進行形なのかも。


「それよりさ、今度ユキがね」


菜穂が話を変えたことで、菜穂との恋愛話はここで終わった。

菜穂の言う浅い恋は私にはイマイチピンとこなかったが、だからと言って深い恋というのもピンとはこなかった。

結局恋愛話は私にとって疎い話なのだと改めて感じる。