Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「いやいや、一生決心なんてつかないよ」


昨日のことを、学校の昼休憩中に菜穂に相談すると、即答でそう答えた。


「恋愛上級者のカオル相手に、恋愛初心者の綺月が決心つく日なんて無いと思った方がいいよ」

「…無理、あのレベルについていける気がしない」

「そこはカオルが上手い具合に慣らしてくれるよ」

「その発言さえ、恥ずかしすぎて無理」


私は大袈裟に頭を抱えて、左右に揺れる。


「悶えてる悶えてる」


今の状況を完全に楽してんでいる菜穂は、最近私とカオルの進捗状況を聞くのが日課だ。


「抱き締められただけで息止める私に、その先はハードル高すぎ。無理、付き合える気がしない、無理。一生決心湧く気がしない」

「でもキスしたんでしょ?」

「し、してない!
あれは流れでやられちゃっただけで!
正直他のことでいっぱいいっぱいであんまり覚えてないし!」

「じゃあもう一回してみれば?」

「で、出来るわけないじゃん!馬鹿なの!?」

「カオルにお願いしたら快くしてくれると思うよ」

「お願いなんて出来るわけないじゃ〜〜ん!」

「お願いなんてしないからじゃなくて、お願い出来ないからやらないって、キス云々はしても良いってこと?」

「ち、違う!言葉の綾!!」