Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜


私がカオルよりも優位に立ったこの日から、早くも二週間が経った。

私に言われた日から、カオルはまず自分に好意を抱いていた女を全て切った。

元々女に執着の無かったカオルは、割とあっさりとバッサリと切ったことに私は驚いた。

朝帰りしてくることも無くなり、甘い香水の匂いを付けてくることも無くなった。

前よりももっとAgainの溜まり場に顔を出すようにもなったと、たまに菜穂から聞く。

溜まり場で何をしているのかと聞いてみたら、何もせずソファーで寝転がってると菜穂はカオルを猫扱いしていた。

バイトを終えたら、寄り道せずに帰ってきているようで、たまに皿洗いやお風呂を掃除している。

たまに奈都の勉強を見て「うわー、キモい数字」と邪魔をしてくることが増えた。

カオルは奈都とゆっくりと二人っきりで話をしたようで、カオルのシスコンレベルが前よりも増した気がする。

別人みたいに変わるカオルを見て、私が一番戸惑っていた。

人はそうそう変われないと聞くが、二週間足らずでこうも変わることが驚きを超えて恐ろしいと思ってしまった。

何より一番私が戸惑っているのは、カオルの私に対する言動だ。


「なぁ、いつ付き合ってくれんの?」


これだ。

毎日毎日毎日、飽きもせずに聞いてくる。