Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「私の人生カオルに救われたようなものだから、私がカオルにしてあげられることはなんでもしてあげたいと思ったんです。
でも何も無くて、命を賭けることぐらいしか思いつかなくて」


命を賭ける愛って重いだろうなぁ……。


「でもちょっと後先考えずだったなと反省してます」


それでも私は何も間違ってはいないといった顔で、一応反省の色を見せる。


「すげぇな、綺月ちゃん」

「…え?」


褒められるような行動ではないのに、一喜さんはなぜか尊敬するような目で私を見ていた。


「少しカオルには勿体ねぇ気もするけどな」

「それは逆ですよ。
私にカオルは勿体無い」


即答で私が否定するが、やっぱり一喜さんは首を横に振ってまたそれを否定した。


「ちょっと似てるな、綺月ちゃん」

「…誰に、ですか?」

「綺月ちゃんは、ちゃんと自分の命大事にしろよ」


私の質問の問いには答えず、一喜さんはそう言い残すと新しい酒を取りに、騒がしい輪の中に入って行った。