ほんの暫くしてから、身に覚えのあるバイクが遠目から見える。
あれは、聡だ。
「バイクで迎えに来んのかよ」
お互いてっきり車で迎えに来てくれるのかと思っていたが予想は外れた。
かなりのスピードを出して来たのか、キーッというブレーキ音を出しながら止まる。
風で聡の髪が乱れて、普段隠している額の傷がはっきりと目に入る。
聡はバイクから降りると、ズカズカと俺の方まで歩いて来る。
あ、ダメだ、これは怒ってる時の顔だ。
そのままスピードを緩めずに近くまでくると、聡は俺の頬に一発思いっきり殴った。
俺は聡の力に負け、地面に叩きつけられたように崩れ落ちる。
「どれだけお前のことみんなが探したと思ってんだよ」
荒ぶった感情を抑えようとしているのか、聡の声が若干怒りに震えていた。
「いい加減気付けよ」
口の中が切れ、血が垂れる。
聡はしゃがみ込み俺に目線を合わせると、乱暴に髪を引っ張った。

