Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「留守電が残ってて、俺は家に帰ってから気付いた。俺がよく遊び回っている場所だったから、奈都を探して欲しいっていう内容だった」


真っ暗で誰もいない家の中で、留守電に残した母親の声を聞いたときのカオルの気持ちは、私なんかじゃ計り知れないと思った。

私はカオルの今にも泣きそうな横顔を見る。


「その後、家の固定電話に警察から連絡があった」


その後の話は、聞かなくても大体予想がついた。

雨で視界も悪く、ましてや急いでいたのか、カオルの両親はかなりの速度を出して車を運転していた。

そんな時、傘をさしていない歩行者が、ろくに左右の確認もせずに道路に飛び出したことで、慌てて急ブレーキをかけ、案の定車がスリップし、運悪く対向車のトラックと強く衝突してしまい事故が起きた。

すぐに救急車を呼んだが、雨の日の渋滞に捕まり到着がいつもよりも遅れてしまった。

救急車が来た時にはすでに母親は息をしておらず、父親も後に病院で息を引き取った。

カオルが駆けつけた時は、全てが遅かった。

警察によって迷子になっていた奈都はすぐに見つかり、両親の前で泣きじゃくっていた。