Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

それでも、私は口にした。


「だけど、学校には卒業するまで通いたい。
だからお願いします、学費を立て替えて下さい」


私は周りの目も気にせずに目の前に座っている母に頭を下げる。

勝手で、わがままな話をしているのは分かっている。

家に帰りたくないという娘のために、金を落とさなければいけないのだから。

母の理想を叶える娘はもういないし、そんな私のことを母は既に切り捨ててるかもしれない。

それでもまだ愛があるのなら、期待して、信じてみたかった。

私が頭を下げた状態で数秒ほど経った後、母がやっと口を開いた。


「顔を上げなさい」


私はその言葉に、ゆっくりと顔を上げ母を見た。

母がどんな表情をして私を見ているのか分からなかった。

だけど、顔を上げて母を見た瞬間、内側からグッと何かが込み上げて来た。


「あなたは、小さい頃から優しい子だった」


母の声が、迷うことなく私の耳に入ってくる。