Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

今日は母の退院日なので、家に向かうよりも病院に向かった方が会えると私は踏んでいた。

案の定、病院から出てきた母と、今まさに病院に入ろうとしていた私は偶然にも鉢合わせする。


「すぐに退院すると思った」


退院時間よりも早く病院を出ると見越していた私は、自信満々にそう言った。

そんな私を見て、母は少し困ったように笑った気がした。


「会いに来るって言ったでしょ?」


こんなに早く会いに来るとは思っていなかったのか、少し気まずそうに黒目をキョロキョロと動かした。

むしろ母よりも私の方が堂々としていた。

もう逃げないと決めた私にとっては、もうなんの迷いも持ち合わせていなかった。

真っ直ぐに見つめる私の目を見て、母は諦めて息を吐いた。


「場所を移動しましょう」


そう言うと、病院近くのファミレスに入った。