「どうしよう、救急車呼んだ方がいい?」


私はポケットから急いで携帯を取り出し番号を入力していると、幸人が待ったと私の手を掴んだ。


「大丈夫だ」

「…え?」

「コイツ寝てるよ」


そう言われ、カオルの顔に耳を傾けると、微かに寝息を立てていた。

あまりにも人騒がせな奴に、私は寝ているのにも関わらず思いっきり肩を叩いた。


「ホントムカつく!」

「起きたら10往復ビンタしよう」

「10どころじゃないよ!100だよ100!」

「いやイケメンの原型が無くなるまで殴る」

「それ良いアイデア」


恐ろしい会話をしている真下で、カオルはまた一段と寝息を立てて眠っていた。

その後、遅れて聡さん達が駆けつけ、寝ているカオルを見て呆れて長い溜息を零していた。

十月十五日を迎える三日前に、カオルはAgainに戻って来た。

そして、眠っていたカオルだが、暫くして寝ながら高熱を引き起こし、夢にうなされながら丸二日、目を覚まさなかった。