Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「今、どこにいる」


担任はやっと本題に入った。

だけど、私は答えない。


「お母さんを一人にして、一條はどこに住んでいるんだ」


今までただの一教師だからで踏み込まなかったのだから、この先も踏み込まないで欲しかった。

でも、先生にも生徒の力になるという教師としてのプライドがあるのだろう。


「まさか、ガラの悪い男の家に転がり込んでいるのか?」


確かに、見た目はガラの悪い不良だけど、私にだってカオルの家に住む正当な理由は持っている。

ただそれを話しても、きっと先生は大人としての意見を述べるだけだろう。


「一條」


担任が私の目を真っ直ぐに見る。


「一條と親御さんの間に何があったのかは先生には分からない。それを教えてくれとも言わない。
でもな、一條はまだ高校生で未成年なんだ。
何かあってからでは遅いんだ」

「家にいたら何も無いって言えるんですか?
家にいれば、安心だって先生はそう思ってるんですか?」


家を出たことも、母を一人にしたことも、ずっと気がかりだった。

でも、あの時はこれ以上は無理だと思った。