Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「うん、でも本人はバチバチにやる気だから大丈夫」

「うわっ、負けず嫌いだね〜、そういうところはカオルにそっくり」


カオルの名前が出るだけで、私の動きが一瞬止まる。

その反応に菜穂が吹き出すように笑った。


「…なに?」

「いや〜別に〜」


菜穂はニヤニヤしながら私の顔をジロジロと見てくる。

その反応はからかってるな、と私がむくれた顔をしていると、菜穂はそうだと思い出したように口を開いた。


「あー、カオルと言えばさ、最近アイツどうよ?」

「…なにそのざっくりとした聞き方」

「いやさ、最近変なんだよね」


…変?カオルが?


「溜まり場にもあまり顔出さないし、私達の連絡も返信遅いし、忙しいとか言いながらもホテル街でよく見かけるようになったっていう噂がチラホラと耳に入っててさ…」

「ホテル街…」

「いや、噂だけどね、うわさ!
本当かどうかは知らないけど、ほら元からあんな感じだったし?」

「いや噂じゃなくて本当でしょ。
最近頻繁に色んな人の香水の匂いが服についてるし」


本当なんであんな男好きになったんだろうと、私はこれで15回目の後悔をしていた。